著作権法改悪に反対する！

衆議院でＴＰＰ法案が強行採決され、著作権法改悪もついに現実化しようとしている。冗談じゃないよ。アメリカがＴＰＰ延期の機運なのに、安倍政権は何をボケた事を、しかも強引にやろうとしているのか。再度主張するが、私はＴＰＰを抱き合わせの著作権方改悪に反対だ。くわしくは是非下記を読んでほしい。16.11.12

TPPを受けて著作権法の改悪案がいよいよ国会審議される。世間は全く盛り上がっていないが、いいのか！？他人事じゃない！16.3.5

15年10月5日、ＴＰＰの政府間交渉がおおむね合意を得た。これでＴＰＰは決まったも同然。貿易障害を減らし、貿易が活性化するのは原則望ましい事であり、グローバル化は世の流れであろう。
とはいえ、この非公開で進められた交渉の一環として、グローバルなコンテンツの利用拡大のために、著作権も俎上に上げられ、まま米国追従が決まったと言う事を、どれだけの人が認知しているのだろうか。
著作権に関しアメリカ追従するとなれば、私は大反対である。それでは著作物の利用が促進されるどころか、委縮し、表現の自由まで損なわれかねないからだ。
理由は以下の通り。15.10.10

理由の１点目。アメリカの著作権法では、著作権保護期間は70年。日本の著作権保護期間は原則50年。
今でも作者が死んで50年経つまでは、勝手に曲を歌ってはいけない、舞台化してはいけない、アレンジしてもいけないのだ。そもそも単に遺族だというだけで50年もの権利受益は妥当だろうか。遺族の了解を取りたくても所在不明の事だってある。パロディーもオマージュもオリジナルを知る人が居なくなってからじゃ成立しない。
一方、アメリカでは保護期間がそれ以上に長く、更に延長される可能性もあるらしい。それは主眼にしているのが著作者個人ではなく、ハリウッド隆盛以降の映画、そしてディズニー他大企業だからである。著作権と商業利用権を一緒にして、企業の利益を護ろうとしているのだ。アメリカの著作権法がディズニー法とも揶揄されるゆえんである。それに伴って著作物の利用も著しく制限を受けている。これでは文化の停滞を招かないだろうか。著作者の権利保護も重要だが文化とは人類の共有財産であるべきと私は思うが。

２点目にして最大の問題が、アメリカの著作権法が「非親告罪」であるという事。現在、親告罪の考えを取る日本では、著作権者の告発がない限り著作権侵害にはならなかった。しかし非親告罪になるという事は著作権者が認知しようがしまいが、第三者がそれは侵害だと言えば侵害になる。これはアメリカの著作権法が、海賊版や模倣品を怪しいというだけでその場の判断で摘発できるようにしているためである。
これがどういう事かというと、今まで日本では著作権者が黙認していたか、もしくは気付いていなかった事は犯罪に当たらなかった。それが今後は著作権者とは無関係に、パロディーも物まね芸もそれだけで犯罪成立。文化祭での演奏が無断利用の罪となり、原曲に劣る演奏であれば無断変形の罪。ミッキーと一緒に撮った写真をブログにアップしたら”公衆送信”、”私的利用外”になり即犯罪だ。今までは法に触れてなかったものが、今後は誰が何といおうと全て著作権侵害。著作権者が宣伝になるからと認めてきたファンサイトも、第三者が犯罪と思うなら犯罪。たとえ摘発を免れていても犯罪。日本のアニメや漫画が先行作品のパロディー等、二次創作で発展してきたのは事実であり、そういう作品が多く作られ、日本文化を豊かなものにしてきたのも事実。しかしこれらとて皆犯罪だった事になる。
厳しく取り締まればきりがない。今まではビートルズの国内のトリビュートバンドはポールや遺族であるヨーコが黙っている限り犯罪にあたらなかったのが、これからは無関係な誰かが”パクりで儲けている“と言いだせばそれで逮捕もされる可能性が出て来る。アメリカでもフェアユースの場合は罰しないという事にはなっているが、非常にあいまいなもの。極端な話、先行作品に影響された作品は皆著作権侵害になり兼ねない(かもね)。
まったくの突然変異的創作などこの世にはない。先人の遺産を継承発展させる形でしか文化は成り立たない。それを真似ても、流用しても、影響されても罪に問えるのなら、アーチストは全員が罪人じゃないか。重ねて言うが、文化とは誰でもが自由に参加できる共有財産のはず。

更に言うと３点目。著作権者に訴えられた場合、実際に著作権侵害による金銭的損害がなくても、懲罰的な「法定賠償金」が取られかねなくなると言う事。作品を広めたい気持ちもなく、儲ける気持ちだけの遺族が、金を目当てに賠償金を取る気になればどうなるか。

まぁ、ここまでこだわって主張しているのも、そもそもこのクリムゾン和訳集が違法になるからだ。今までは適法とはいわないまでも、少なくとも犯罪には当たらなかった。
ＤＧＭやフリップの目が届かないのをいい事に、勝手に訳詞し、解釈し、原型保持権違反に問われかねない事をやって来た。盗用で儲けていると言われぬように注意し（だからバナー広告等一切ナシで）、オリジナルの英詞の掲載は極力回避もしている。仮に目が届いても日本では親告罪である。キング・クリムゾンの布教のために無償で貢献する事を趣旨としているサイトであれば、クリムゾンにも被害がなく、逆にメリットがあるサイトという事で、告訴されぬと期待する。そういう内容にしているつもり。それでファンの役にも立っているつもりで来た。
もしも日本国内で著作権法改正という事になれば、フリップやシンフィールドが何か言おうが言うまいが、日本の誰かが何か言おうが言うまいが、このサイトはもう犯罪行為。誰にも迷惑かけていなくても賠償金を取られかねない。これは即刻サイトを畳むしかなくなる。

そういう事なのだ。まあ、こんな個人的な和訳サイトの話はさておいても、文化の発展、芸術の進化のために、著作権法の改悪＝アメリカ追従は、大問題。私は大反対であると改めて言いたい。
ここで言ってもどうなるものでもないが、この文章を読んだ人達も、少しでも反対の声を上げてくれれば、この先なんとか改悪阻止できないでもないか(と期待してみる)。

×このページはブラウザの終了ボタンで閉じてください。
＊もしくはキング･グリムゾン･トリビア索引頁へジャンプ｡