ピート・シンフィールドは、1974年に、「アンダー・ザ・スカイ」という5,000部限定の詞詩集を出している。この本はシンフィールドのPhotos of Ghostsまでの作品をまとめたもので、Photos of Ghostsのアルバムカバーアーティスト、Julia Fryerによる数多くのイラストが掲載されている。出版の際の広告告知がここで見られる。 彼のサイト、ソングスープ・オン・シーの詞の68-74年の頁に掲載している多くの詞には、やはりJulia Fryerの美しいイラストが添えられており、これらは皆この本から流用されたものであろう、多分。 詞と詩のうち、詩はこの本で初出。他では紹介されておらず、彼のサイト、ソングスープ・オン・シーの詩の頁のみで見られる。 詩のうち、自信作の２編にはJulia Fryerのイラストが添えられていて、その２編、「フォーメンテラ」と、「雨滴」を今回以下に訳出する。 「フォーメンテラ」の元詩はここ。「フォーメンテラ・レディ」の参考までに。「雨滴」の詩はここで。 更におまけで「SFポエム」を下端に追加。'24.11.14にシンフィールドが亡くなったのを悼み、急遽訳出。元の詩はこれ。24.11.18 「フォーメンテラ」 表層でたゆたう フルートにギター ふらつく虫が ペルシャ絨毯の 上を這い登る ふさふさのショールを縁どる 花々はラベンダー ほのかなキャンドルが 灯で覆い包む 閉じた瞼を  ほんわかしたふんいき。「雨滴」 雨滴のごとき者と出会った 窓のガラスを 一緒につたい引き落ち 僕ら以外の人は見えなかった 僕らは見えなかった 模様を織りなす者が 心の虚しさに杼を通し 欲望の痛みの糸を引っ張る 意図なき糸が 僕らを 手繰り寄せる 寝床へ と 念のために説明すると、杼(ひ・ｼｬﾄﾙ)とは、織物を織るときに、経糸（たていと）の間に緯糸（よこいと）を幾度も通すための器具。「SFポエム」 NEW 火星の橙色の砂の上 緋色の空の下 水晶の子らは座り込み 考え込む 宇宙的な疑問を 宇宙船に乗り 宇宙を飛び回ろうとも 至る所似た所だけ 地球よりマシってだけ おまけ。たいした詩でもないが韻を意識。"水晶の子ら"と訳した語は単にクリスタルで、次のユニバーサル、トラベルと揃えている所に、意訳で"子ら"を足している。24.11.18
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ピート・シンフィールドの詞の特色など述べているのは
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